オール電化+太陽光で電気代はいくら?地域別・蓄電池あり/なしのシミュレーション比較
2026/3/30
「オール電化にしたら電気代が高くなった…」という声をよく聞きます。でも実は、オール電化に太陽光発電を組み合わせると、電気代は大きく変わります。
この記事では、オール電化の電気代の実態から、太陽光発電を加えた場合の地域別シミュレーション、蓄電池の追加効果まで、具体的な数字を使ってわかりやすく解説します。「うちは導入して得をするのか?」の判断材料にしてください。

オール電化の電気代の平均はいくら?
まず、オール電化住宅の電気代の実態から見てみましょう。
オール電化住宅は給湯・調理・冷暖房をすべて電気でまかなうため、一般的なガス併用住宅より電気使用量が多くなります。
世帯人数 | 月の電気代の目安 |
|---|---|
1人暮らし | 12,000〜18,000円 |
2人暮らし | 18,000〜25,000円 |
3〜4人家族 | 約15,000〜20,000円 |
5人以上 | 25,000円以上 |
※エコキュート使用、深夜電力プランで試算。地域・住宅断熱性能によって異なります。
4人家族のモデルケースで考えると、月2万〜2万5千円というのが現実的な水準です。「高いな」と感じる方も多いと思いますが、後述する通り、太陽光発電との組み合わせでこの水準は大きく下がります。
オール電化の電気代が高くなる理由
オール電化は電気代が高いイメージがありますが、構造を理解すると対策が見えてきます。
1. 給湯に多くの電力を使う
エコキュートはエネルギー効率が良いとはいえ、お湯を沸かすためにそれなりの電力を消費します。4人家族で1日8〜12kWh程度が給湯に使われます。
2. 調理も電気
IHクッキングヒーターはガスコンロより電気代がかかります(使用頻度にもよりますが、月500〜1,000円程度の差が出ることがあります)。
3. 電気料金の値上がり
2022年以降、燃料費調整額の上昇により電気料金が大幅に上がりました。オール電化は使用量が多い分、値上がりの影響を直撃しやすい構造です。

電気代が高くなる原因について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
電気代が高い原因とは?今すぐできる電気代節約方法を解説
ガス併用 vs オール電化の光熱費比較
「オール電化の方が得なのか、ガス併用の方が得なのか」は多くの方が気にするポイントです。
実は、単純な比較では光熱費(電気代+ガス代)の合計はほぼ同水準になることが多いです。ただし、太陽光発電の有無で話が大きく変わります。
ガス併用 vs オール電化の月額光熱費比較(4人家族モデル)
項目 | ガス併用 | オール電化 | オール電化+太陽光(5kW) |
|---|---|---|---|
電気代 | 12,000〜14,000円 | 20,000〜25,000円 | 8,000〜14,000円 |
ガス代 | 6,000〜8,000円 | 0円 | 0円 |
光熱費合計 | 18,000〜22,000円 | 20,000〜25,000円 | 8,000〜14,000円 |
太陽光売電収入 | なし | なし | 3,000〜8,000円/月 |
実質負担 | 18,000〜22,000円 | 20,000〜25,000円 | 5,000〜11,000円 |
※太陽光は東京都・南向き屋根・発電量550〜600kWh/月・自家消費率45%・売電単価16円で試算。
ここから見えることは:
オール電化単体では、ガス併用より少し高めになりやすい
オール電化+太陽光の組み合わせが最もトータルコストを抑えられる
月の実質負担を1万円以下にすることも現実的
年間で見た場合の差
ガス併用 | オール電化 | オール電化+太陽光 | |
|---|---|---|---|
年間光熱費 | 216,000〜264,000円 | 240,000〜300,000円 | 96,000〜168,000円 |
ガス併用比較 | — | +24,000〜+36,000円 | ▲72,000〜▲132,000円 |
ガス併用と比べてオール電化+太陽光は年間7〜13万円の削減が見込めます。
オール電化+太陽光発電の地域別シミュレーション(東京・大阪・仙台・福岡)
太陽光発電の発電量は日照時間に大きく左右されます。地域によって得られる効果が変わるため、主要4都市でシミュレーションをまとめました。
共通条件
4人家族、オール電化住宅(月使用量680kWh)
太陽光パネル:5kW、南向き屋根30度傾斜
自家消費率:40〜50%
電力単価:35円/kWh(2026年水準)
売電単価:16円/kWh(2026年度FIT)
東京(首都圏)
項目 | 数値 |
|---|---|
年間日照時間 | 約2,050時間 |
年間推定発電量(5kW) | 約5,500〜6,000kWh |
月平均発電量 | 約460〜500kWh |
うち自家消費(45%) | 約210〜225kWh/月 |
電力会社から購入量 | 約455〜470kWh/月 |
月電気代目安 | 約15,900〜16,500円 |
売電収入(月) | 約4,000〜4,600円 |
実質月負担 | 約11,300〜12,500円 |
ガス併用比削減額(年間) | 約72,000〜120,000円 |
東京は日照時間が多く、太陽光発電の効果が出やすい地域です。都の補助金制度も充実しており、導入コストを抑えやすい環境が整っています。
大阪(関西)
項目 | 数値 |
|---|---|
年間日照時間 | 約1,950〜2,000時間 |
年間推定発電量(5kW) | 約5,200〜5,500kWh |
月平均発電量 | 約433〜458kWh |
うち自家消費(45%) | 約195〜206kWh/月 |
電力会社から購入量 | 約474〜485kWh/月 |
月電気代目安 | 約16,600〜17,000円 |
売電収入(月) | 約3,700〜4,200円 |
実質月負担 | 約12,400〜13,300円 |
ガス併用比削減額(年間) | 約57,000〜96,000円 |
大阪も年間を通じて日照時間が多く、太陽光発電との相性が良い地域です。関西電力エリアの電力単価も踏まえると、費用対効果は高めです。
仙台(東北)
項目 | 数値 |
|---|---|
年間日照時間 | 約1,650〜1,750時間 |
年間推定発電量(5kW) | 約4,400〜4,700kWh |
月平均発電量 | 約367〜392kWh |
うち自家消費(45%) | 約165〜176kWh/月 |
電力会社から購入量 | 約504〜515kWh/月 |
月電気代目安 | 約17,600〜18,000円 |
売電収入(月) | 約3,000〜3,500円 |
実質月負担 | 約14,100〜15,000円 |
ガス併用比削減額(年間) | 約36,000〜60,000円 |
仙台は積雪の影響を受ける冬季があるため、年間発電量が東京・大阪より少なくなります。ただし、冷暖房需要が高い東北では自家消費率が上がりやすく、一定の効果は見込めます。
福岡(九州)
項目 | 数値 |
|---|---|
年間日照時間 | 約1,950〜2,050時間 |
年間推定発電量(5kW) | 約5,200〜5,500kWh |
月平均発電量 | 約433〜458kWh |
うち自家消費(45%) | 約195〜206kWh/月 |
電力会社から購入量 | 約474〜485kWh/月 |
月電気代目安 | 約16,600〜17,000円 |
売電収入(月) | 約3,700〜4,200円 |
実質月負担 | 約12,400〜13,300円 |
ガス併用比削減額(年間) | 約57,000〜96,000円 |
福岡は年間を通じて日照が安定しており、太陽光発電に適した地域です。九州電力エリアでは出力制御(太陽光の発電抑制)が起きることがある点は留意が必要ですが、蓄電池と組み合わせることでその影響を軽減できます。
地域別まとめ比較表
地域 | 年間発電量(5kW) | 年間削減効果 | 備考 |
|---|---|---|---|
東京 | 5,500〜6,000kWh | 72,000〜120,000円 | 補助金充実・日照多い |
大阪 | 5,200〜5,500kWh | 57,000〜96,000円 | 安定した日照 |
仙台 | 4,400〜4,700kWh | 36,000〜60,000円 | 積雪期は発電量減 |
福岡 | 5,200〜5,500kWh | 57,000〜96,000円 | 出力制御に注意 |
蓄電池を追加するとさらにいくら安くなる?
太陽光発電だけでも効果は大きいですが、蓄電池を組み合わせるとさらに電気代を削減できます。
蓄電池が電気代削減に効く仕組み
昼間に太陽光で作った余剰電力を蓄電池に貯め、夜間や雨の日に使います。これにより:
昼間の余剰電力を無駄にしない — 蓄電池なしだと余った電力は売電するしかないが、売電単価(16円)より自家消費(35円の電気代を削減)の方が得
夜間の電力購入量が減る — オール電化のエコキュートは深夜電力を使うが、それ以外の夜間消費を蓄電池でまかなえる
停電時のバックアップになる — 太陽光+蓄電池があれば停電時も電気が使える
蓄電池あり/なしの電気代比較(東京・5kWシステム)
太陽光のみ | 太陽光+蓄電池(10kWh) | |
|---|---|---|
月の自家消費率 | 40〜50% | 60〜75% |
電力会社から購入量 | 約455〜475kWh | 約340〜380kWh |
月電気代 | 約15,900〜16,600円 | 約11,900〜13,300円 |
売電収入 | 約4,000〜4,600円 | 約1,500〜2,500円 |
実質月負担 | 約11,300〜12,600円 | 約9,400〜11,800円 |
蓄電池による追加削減 | — | 月1,900〜3,200円 |
年間追加削減 | — | 約22,000〜38,000円 |
蓄電池を追加することで、年間さらに2〜4万円の削減が見込めます。
蓄電池の費用対効果(回収期間の試算)
蓄電池容量 | 設置費用目安 | 年間削減額 | 単純回収年数 |
|---|---|---|---|
7kWh | 120万〜170万円 | 18,000〜26,000円 | 約46〜65年 |
10kWh | 150万〜200万円 | 22,000〜38,000円 | 約39〜68年 |
16kWh | 180万〜250万円 | 28,000〜50,000円 | 約36〜64年 |
※補助金を使う前の単純計算です。
単純計算だと回収に時間がかかりますが、ここで重要なのが補助金の活用です。
東京都の補助金(令和8年度)を適用すると:
蓄電池補助金:10万円/kWh(上限120万円)
10kWhの蓄電池なら補助額100万円
補助金後の自己負担:
10kWh蓄電池の場合:設置費用150万〜200万円 → 補助後50万〜100万円
回収年数:13〜45年(補助後)
また、蓄電池は電気代削減だけでなく、停電時のバックアップとしての価値もあります。災害への備えとして捉えると、純粋な経済計算だけでは測れない価値があります。
オール電化+太陽光の初期費用とトータル収支
導入を考える際、初期費用の全体像も把握しておきましょう。
初期費用の目安(東京都・4人家族・5kWシステム)
項目 | 費用目安 | 補助金 | 実質負担 |
|---|---|---|---|
太陽光パネル(5kW) | 120万〜150万円 | 36万〜60万円 | 60万〜114万円 |
パワーコンディショナ | 込み | — | — |
設置工事費 | 込み | — | — |
エコキュート(新設) | 40万〜60万円 | — | 40万〜60万円 |
IHクッキングヒーター | 15万〜25万円 | — | 15万〜25万円 |
合計 | 175万〜235万円 | 36万〜60万円 | 115万〜175万円 |
蓄電池も同時に設置する場合:
蓄電池(10kWh):150万〜200万円 → 補助後50万〜100万円
全体の実質負担:165万〜275万円
トータル収支の試算(20年間・東京都・蓄電池なし)
項目 | 金額 |
|---|---|
初期投資(実質負担) | 115万〜175万円 |
20年間の光熱費削減 | 144万〜240万円 |
20年間の売電収入 | 50万〜80万円 |
20年間のトータル収支 | +69万〜+145万円のプラス |
20年でみると、補助金活用後なら多くのケースで初期投資を回収できます。
東京都の太陽光・蓄電池補助金を最大限活用する
東京都に在住の方は特に、補助金制度が充実しており、初期費用の負担を大幅に減らせます。
令和8年度(2026年度)東京都の主な補助金
補助種別 | 補助額 | 上限 |
|---|---|---|
太陽光発電(都) | 12万円/kW | 36万円(3kW以上) |
蓄電池(都) | 10万円/kWh | 120万円 |
太陽光+蓄電池セット(国) | 4.5万〜5.5万円/kW相当 | あり |
さらに、区市町村による上乗せ補助がある地域も多く、東京23区では区によって10万〜50万円の追加補助が受けられる場合があります。
他のエリアの補助金情報
東京都以外でも太陽光・蓄電池への補助金は各自治体で用意されています。
大阪府・大阪市: 府と市の両方から補助があり、組み合わせで最大60万〜80万円程度
福岡県・福岡市: 県・市・国の三層構造で最大100万円超のケースも
仙台市(宮城県): 市の補助に加え、東北電力エリア向けの特別プログラムあり
補助金は年度ごとに変わるため、最新情報は各自治体のホームページか、地域の施工会社に確認するのが確実です。
オール電化+太陽光を導入する際の注意点
屋根の向きと角度が重要
太陽光発電の効率は屋根の向きに大きく影響されます。
屋根の方向 | 発電量(南向き比) |
|---|---|
南 | 100%(基準) |
南東・南西 | 約90〜95% |
東・西 | 約80〜85% |
北東・北西 | 約60〜70% |
北 | 約50〜60% |
北向き屋根でも設置は可能ですが、発電量が大幅に下がるため費用対効果が悪くなります。シミュレーションは必ず屋根の実際の向きと角度で行ってください。
エコキュートの買い替えタイミング
既存のガス給湯器からエコキュートに切り替える場合、設置コストが別途かかります。逆に言えば、給湯器の交換時期に合わせてオール電化+太陽光を一緒に導入すると、コストが分散できてお得です。
太陽光パネルのメンテナンス費用
太陽光パネルは基本的にメンテナンスフリーですが、長期間使用すると発電効率が落ちます。
パネルの寿命:25〜30年(保証期間:多くは25年出力保証)
年間劣化率:約0.5〜1%
パワーコンディショナの寿命:10〜15年(交換費用20万〜40万円)
定期点検:10年で1〜2回(費用2万〜5万円)
20年間の維持費は20万〜50万円程度を見込んでおくと安心です。
よくある質問(Q&A)
Q. オール電化じゃなくても太陽光発電は導入できますか?
A. はい、ガス併用住宅でも太陽光発電は導入できます。ただし、オール電化に切り替えることで夜間の安い電力(深夜電力プラン)を活用できるため、組み合わせることでより大きな削減効果が出ます。
Q. 賃貸住宅でも太陽光発電は設置できますか?
A. 基本的には難しいです。太陽光パネルは建物に固定するため、所有者(大家)の許可が必要です。一部の分譲マンションで屋上への設置を認めているケースはありますが、一般的な賃貸戸建て・アパートでは設置できないと考えておいてください。
Q. 太陽光発電を設置すると固定資産税は上がりますか?
A. 一般住宅の場合、太陽光発電システム自体は固定資産税の課税対象外です(業務用は別)。ただし、蓄電池は設置の仕方によって課税対象になる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。
Q. 電力会社に売電するFITは今から申請できますか?
A. 2026年現在も住宅用太陽光(10kW未満)はFIT制度の対象です。売電単価は年々下がっており、2026年度は16円/kWhが目安です。ただし、自家消費比率を高めた方が経済的メリットが大きくなるため、蓄電池との組み合わせを検討する価値があります。
Q. 曇りや雨の日でも発電しますか?
A. 曇りや雨でも少量の発電はします(晴天時の10〜30%程度)。年間を通じた発電量シミュレーションでは天候データを反映して計算するため、年間収支の見通しは晴れの日だけの計算にはなっていません。
Q. 停電時に太陽光発電は使えますか?
A. 蓄電池なしの場合、通常の停電時は太陽光発電が自動停止する仕組みになっています(自立運転モードに切り替えると昼間に限り一部使用可)。蓄電池を組み合わせると、停電時も蓄電池から電力を供給できます。
まとめ:オール電化+太陽光の電気代は平均どのくらい?
この記事のポイントをまとめます。
状況 | 月の実質光熱費目安 | 年間削減額(ガス併用比) |
|---|---|---|
ガス併用(参考) | 18,000〜22,000円 | — |
オール電化のみ | 20,000〜25,000円 | ▲2,000〜▲3,000円(逆に増加) |
オール電化+太陽光(5kW) | 5,000〜12,000円 | 72,000〜144,000円削減 |
オール電化+太陽光+蓄電池 | 3,000〜9,000円 | 96,000〜180,000円削減 |
オール電化単体は光熱費がやや高くなりがちですが、太陽光発電を組み合わせることで、ガス併用住宅より大幅に光熱費を削減できます。東京都をはじめとする補助金制度を活用すれば、初期費用の回収もスムーズです。
「自分の家の場合、実際にどれくらい削減できるのか」は、屋根の向き・面積・現在の電力使用量によって変わります。まずは現地シミュレーションで確認するのが一番正確です。
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